プレイリストof2023

 

 

 

 

1.I Thought You'd Change/Hotline TNT

 

デカくてザラザラしたギターはグランジっぽい重たさがあるけど、リリースされた11月の寒くて澄んだ空気感にマッチしていた曲。キラーチューン。

 

2.In My Head/The Lemon Twigs

 

昇天してしまう程の気持ちいいコーラス。でもその歌詞で歌われているのは、理想の自分と現実の自分の違いへの嘆き。泣ける。

 

3.Hounted Mountain/Buck Meek

 

buck meekという人が、話したことなくともオープンマインドな人なんだろなと伝わるような音楽。big thiefよりラフなこっちの方が好き。これを聴いて全員優しい気持ちになろう。

 

4.Running Out Of Time/Lil Yachty

 

サイケロック風ではあるけど、明らかにバンドではない人のサウンドプロダクション。ボーカルの処理など独特の浮遊感があるアルバムだった。露悪的なジャケットも印象的。

 

5.Bad State/Sen Morimoto

 

複雑なリズムパターンにのせてクイーンみたいなコーラスやフリージャスみたいな間奏を曲中に挟んで、ラストのサビに向けて高まっていく構成が格好いいです。

 

6.Mist/えんぷてい

 

酩酊して終電で寝過ごした結果、何駅か先から自宅まで歩かないといけないような時に聴く音楽。

 

7.Always/Jonah Yano

 

曲の半分くらいを占めるアウトロ?のピアノの旋律が美しいなと思ったら演奏、プロデュースはBADBADNOTGOODとのこと。

 

8.Sora Wo Tobu Yume(Session)/Yogee New Waves

 

ラジオで角舘さんがsurprise chefを流して、この曲の制作時に影響を受けと言っており、納得した。シネマティックなインスト曲が好きなので、この曲みたいなのだけでアルバムを作ってほしい。

 

9.Time Flies/Salt Money

 

激情ハードコアしか聴きたくない日がある。一瞬で全てを忘れられる音楽だから。

 

10.Ⅳ/soccer.

 

トゥインクルエモから激情ハードコアにまさかの転身を遂げたバンド。この方向性でのアルバムが楽しみ。

 

11.Shanburuon/Texas 3000

 

他は1曲に何曲分もの情報量が詰め込まれてるようなアルバムだったけど、その中では異色の曲。スマパンの1979みたいな。ノスタルジー全開。

 

12.Eyes/No Buses

 

伏目がちな佇まいの近藤大彗の、張り上げないからこそ寄り添ってくれる歌唱と、優しい眼差しの歌詞に救われる。

we don't need another reason to live this life

but i can't stop searching for

with these unfeeling eyes

 

この世を生きるのにもう理由なんかいらないはずだ

それでも僕らは探すのをやめられない

感情を無くしたこの瞳で

no busesはガザ侵攻に関するチャリティライブなども行っており、そういう姿勢は格好いいと思う。

 

13.心(feat. OMSB)/JJJ

 

同じ場所に居過ぎると、大事なものを見失う。冷静さをなくす。そんな時はOMSBの言うように、"もっと遠くに行こう"。

 

14.3 Pz/Khotin

 

白昼夢のようなフワフワしたシンセ、水中で聴くような気泡の環境音、フランス語混じりの英語の語り…内省とリラックスのための音楽。

 

15.Love Of Life/Jackie Mitto

 

一人で沖縄に行き、DJブースのある居酒屋でかかっていた曲。南国の旅先で不意に聴いたJackie mittoは忘れられない。

 

16.Give It Up Or Turnit A Looser/James Brown & The J.B.'s

 

ライブで在日ファンクのハマケンがかけていた曲。james brownは聞きたいと思っていたがきっかけがなかった。サブスクの膨大な選択肢を目の前にすると、新しい音楽を聴こうという気持ちにもなりにくかったりする。そんな時にラジオは大きなきっかけになり得る。

 

17.Alien Love Call/Turnstile, BADBADNOTGOOD & Blood Orange

 

2分過ぎからの転調するところが最高です。

 

18.Nadja/Unknown Mortal Orchestra

 

このバンドは聞いたことなかったけど、何かのきっかけで聴くとアルバム通してすーっと聴けてた。読書しながら聴くと捗る。

 

19.あと少しだけ/NOUGAT

 

インタビューを読むとunwoundempire! empire!(i was a lonely estate)、54-71、5kaiなどに影響受けてると言っており納得した。

煮え切らない気持ちがスロウコアに乗って脳内に響く。

 

20.ロウソク/5kai

 

今年ライブ見に行った中で1番よかった。去年squidサマソニで見た時に似た、インテリジェンスと破壊的衝動が同居するようなライブパフォーマンス。ツインドラムである必要性が感じられて面白かったし、興奮した。

 

21.Walking Dream/Juice Webster

 

ラジオでhomecomingsの福富君が紹介してたSSW。秋冬に聴きたいほっこりする系。自分にとって親しみのある声で落ち着きます。

 

22.Ring Of Past/Men I Trust

 

この曲は入ってないけどmen i trustがA面、クルアンビンがB面のライブアルバムもよく聴いた。

パンデミック中に発表した楽曲を、コロナが明けつつある時期に観客が歌ってくれることで感じた喜びをカタチにした」というもので、曲始まりに歓声が湧いてたり、men i trustも音源よりバンド感強い演奏だったりして、ライブっていいなと思わせてくれた。

 

23.Starfish In Low Tide/altopalo

 

ラジオでceroの髙木さんが勧めていて知ったバンド。体が馬で頭が4つに分かれた人面の、センスの悪いAIが作ったみたいな不気味なジャケットに反して、このメランコリックな曲が入ってたりして掴み所がない。ネットで検索しても全然日本語で紹介されてなくて、どんな人等なのかよくわからない。そしてCDを夏頃にBandcampで購入したけど、未だに届かない。送料高かったのに。

 

24.The Party That Never Ends/Headache

 

一歳の子供を寝かしつける時にラジオをかけていると、寝付きがいいように思う。人が喋っているのがそれだけで安心するからだと思うのだけど、headacheのアルバムを通して永遠と続くポエトリーリーディングも同じ心地よさだと思う。

音楽もvegynの変名プロジェクト?ということで、vegyn印のチルと高揚感の相まったものでそれも心地よき。

 

最近

 

某日

 

・めちゃくちゃ仲が良いわけではないが同級生の友人4人のライングループがあって、その中の1人と個別で飲みに行くことになったので、他の2人にも呼び掛けたところ、1人は予定あるのでNGと返事があったが、もう1人からは既読スルーされるという出来事があった。来れないのであればその旨を言ってくれたらいいのに…。

 

・この時、自分としてはこれからもっと仲良くしたいと思って声を掛けたのだが、相手はそうは思っておらず、独りよがりだったのか、と思いナイーブになる。

 

・返事をしてくれた1人にもなんとなく面目が立たず、それからそのライングループは止まってしまい、自分の中で一つの関係性が終わった。考え過ぎなだけかもしれない。

 

 

某日

 

・「エドワード・ヤンの恋愛時代」が映画館で上映されるということを知って、土曜日の夜のレイトショーで見に行った。上映終了までに見に行けるタイミングがその回しかなかったのだが、結果的にその時間帯の雰囲気の中で見れて良かった。

 


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・「都市に生きる男女の姿を二日半の時間で描き切る青春群像劇」というもので、こういう市井の人の生活を切り取って何か大切なものを浮き彫りにしていくみたいな映画が好きだ。

 

・登場人物が多すぎて前半はあまり付いていけなかった。登場人物みんながみんなめちゃくちゃ喋りまくるので、それを追いかけていて余裕がなかったというのもある。上映前にパンフレットを買って、登場人物の相関図を読んでみたりしていたのだが、それでも付いていくのが大変だった。でもそれは映画の良し悪しというか、自分の頭の良し悪しの話…。

 

・そう、登場人物みんながめちゃくちゃ喋りまくる。自分勝手な内容ばっかり喋るので、見ている人が感情移入できるようなキャラクターの人物は殆どいないのだけど、それも含めてこの映画で表現する必要があったのかな、と見終えて思う。

 

・自分の言いたいことばっかり話して相手の話を聞かないような会話は実際の生活でも起こり得て、「なんでこの人、自分の話ばっかりなん?」と思った時には、その人との心の距離が詰まることはない。大切なのは目の前にいる人と対話することやで、ということ。

 

 

・そんな主題とは別に、個々の登場人物においても(自分勝手ながらも)魅力的なエピソードがあった。特に一度自殺を図ろうとした小説家(映画の中で名前で呼ばれることは一度もない)が恋に落ちることで、目の輝きを取り戻し、最終的には恋した相手さえも目に映らなくなる程の希望に満ち溢れ、歩き出していく…というのは敢えて喜劇的に描かれていたけど、グッとくるエピソードだった。

 

・パンフレットの濱口竜介による解説、というかもはや論文のような文章が読みごたえがあった。こういう自分には一生をかけてもかけないような文章を読むと圧倒される。

 

・どうでもいいけどアジア映画というとウォン・カーウァイを思い浮かべ、そして多分ウォン・カーウァイの映画をサンプリングしているであろうしずるのコントをいつも思い浮かべてしまう。

 


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某日

 

・仕事で先方に対してお願いしないといけないことがあったのだが、自分としては先方に丸投げするのではなく「打ち合わせして一緒に考えていきましょう」みたいな感じを電話口で話していたら、それに対して上司から「もっと強く言わなあかんで」という旨のことを言われる。

 

・それは自分にとっては明らかに先方に丸投げすることではなかったので、上司と若干言い争うことになったが、こういった言い争いをする場面は仕事をする中でも結構しんどい。

 

・程度にもよるが、物理的に仕事の負担がかかってしまっても、みんなで気持ちよく仕事しましょうや、と思ってしまう。多分仕事上他人に譲歩しがちなんだろう。

 

・そのせいもあるのだろう、仕事が集まって終電近くまでの残業が続くこともあるが、残業代が支払われるということから、それはあまり苦に思わなかったりもする。夜8時台に寝る子どもと会えない日が続いたとしても…。

 

・仕事にかまけて自分の人生をサボっているということかもしれない。

 

・そんなことを悶々と考えながら、夏だからという理由で出勤時に何気なくサマージャム’95を聴くと、その仕事に向かう日々とはあまりにもかけ離れた牧歌的なリリックに食らってしまった。

 


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某日

 

・仕事で沖縄出張。稀に見る前々から楽しみにしていた仕事である。正確には仕事を楽しみにしていたわけではなく、一人で沖縄に行けることを楽しみにしていたのですが。

 

・仕事を終えた後、かりゆし水族館に向かった。規模としてはそんなに大きくないが、水槽が映えるように展示がなされていて満足感があった。

水槽を真上から覗く

ライトアップされるクラゲ

沖縄の海を模した展示

・特にこの沖縄の海を模した展示では、水槽の向こう側が海を大きく映し出す画面がゆっくり変わりながら(水面が揺れて、雲が移ろぎ、船や飛行機が動き、天気が変わっていく…)、それに応じた音が流れてくる。そして足元にはサンゴを囲んで魚が泳いでいるので、本当にどこかの洞窟の中から海を眺めるような体験ができてめちゃくちゃヒーリング効果があった。15分くらい眺めていても飽きなかった。家族連れのお父さんも家族を放って、自分が来るより前からぼーっとしていて、自分が動くときもまだぼーっとしていた。

 

・かりゆし水族館はショッピングモールに併設されており、ショッピングモールをうろうろしてみる。でかいフロアに対して人は閑散としており、平日昼間のショッピングモールに特有の気の抜けた雰囲気が漂っていた。それに加え南国由来の緩い空気感が相まって居心地が良い。

 

・ショップピングモールの真横には砂浜があったので、ショッピングモール内のイオンで買ったオリオンビールを持って、そこまで歩く。

ショッピングモールから海を眺める

 

・その砂浜にはちゃんとした海水浴場があって、BBQテント(地元の人はビーチパーティと言ってそこでBBQするらしい)やバスケットコートもあり、程よく賑わっており、めちゃめちゃピースフルな空間だった。砂浜で何かの部活の中学生集団が走り込みをしたりもしていた。天気も最高だったので、音楽を聴いたり本を読んだりすることもせず、ただベンチに腰掛けたり寝転んだりすることで、その空間を享受していた。

 

・夕暮れまで過ごし、いったんホテルで風呂に入った後は、国際通りにある小桜という沖縄料理屋で夕食。

ラッキョウ、もずく、オリオンビール

・一人で食べていると、同世代の店員さんが気を利かせてカウンター越しで話してくれた。那覇周辺のおススメの店を教えてもらったり、昔神戸にいたこともあるということで神戸の話をしたり。昼から喋っていなかったので、嬉々として喋っていたと思う。島ラッキョウハイボールならぬ泡盛炭酸割のAボール、美味しかったです。

 

・開放的な気持ちだったのでそのままホテルに戻るのは勿体なく、音楽の聴けるバーのような店へ。音楽を聴きながらそこにいる人と話す。もともと東京で働いていたが、コロナでほぼリモートワークになったことをきっかけに那覇へ移住したという様な話を聞き、そういう世界線もあるんだなーとか思ったりして、羨ましく聞いていた。

 

・民謡を交えながらプレイするDJの人がいて、今までにない民謡の聴き方にデンションが上がった。沖縄で津軽三味線を聴いて踊るとは思わなかった。

 

dance to the northern music in southern island

・4時には疲れたので、ホテルに戻ったが、精神的にはめちゃめちゃ元気だった。仕事とか日常のことを忘れて、一人で気ままに過ごすことが最高だということを沖縄滞在で確認できた。

 

・楽しかったです。また行きます。

 

 

最近

 

某日

 

娘と奥さんとは別室で寝ているのだが、早起きした娘がバブバブと言いながら(本当にバブバブ言う)、こちらの寝室までよたよたと歩いてくる。起き抜けにその声と姿を確認する。目が合うとキャッキャと言い、リビングへUターンして戻っていく。

そして毎朝ベビーカーに乗せて保育園まで連れていく。出かけるのは好きなのでベビーカーに乗った瞬間は喜ぶが、保育園まで向かう内に「あ、これは連れていかれるぞ」と感じ一丁前に憂鬱そうな顔もする。保育園に着き、先生へ抱っこを変わってもらうと、その途端に泣き始めたりもする。

夕方奥さんが迎えに行くと、先生曰く今まで機嫌よくしていたのに、自分の母の姿を見た途端、また泣き出したりするそう。寂しかったとアピールしたいのか?また他に日には迎えに行くのが最後になってしまい、夕焼けの保育園の部屋の中で一人でおもちゃで遊んでいたりもしたそう。遅くなってごめんねと言わずにはいられない姿。

夜、会社から帰るとTVでおかあさんといっしょを観たりしている。TVの真ん前に立ち、釘付けだ。最近は音楽に合わせて体を揺らしたりもできるようになった。

奥さんが風呂に入れるとそうでもないが、自分が風呂に入れると大抵泣かれてしまう。女の人の柔らかい体でないと不安を感じる?風呂上りにはおっぱいを所望する。そろそろ乳離れしてほしいと奥さんは言うが、風呂上りの一杯は格別なのか。おっぱいを飲むとそのまま寝てくれる日もあるが、がっちり目が覚める日もある。そんな日は横たわって自分の服をめくり、へそを見せてやる。そうするとへそに手を突っ込み、げらげらと笑う。なぜへそがそんなに面白いのか。

そんな感じの一日を過ごす。

 

 

某日

 

昔の友達とお互いの子どもを連れて会う。こういった時、会話の話題が子どもに終始してしまい、毎回くすぶった気持ちを抱えて別れることになる。無論、子どもは何も悪くない。子どもが小さいと一挙手一動から目を離せないということもあるが、子どものことを話すときに極論的に「可愛い」ということしか話せなくなる自分が悪い。それでも、単純にもっと色んなことを話したいなと思ってしまう。

 

 

某日

 

会社の人との飲み会では、仕事の話、職場の人間関係の話、人事関係の噂話、そうでなければ男性職場特有のホモソーシャルな下世話な話と心の底から楽しいと思えるものではない。普段はそんな飲み会が多く飲みすぎることはあまりないのだが、普通に友達と飲むと楽しくて飲み過ぎてしまう。

そんな飲み会が終わり、電車に駆け込み帰路に着いたと思われたが、気が付くと異なる路線に乗ってしまっていた。次の駅で飛び降り、戻る方面の電車に乗り換えようとしたが、先に乗っていたのと同じ方向の電車に再度乗ってしまう。酩酊している。気が付くと、自販機の明かりしかない田舎の無人駅。帰りの終電は終わっており、野ざらしに。こんなことなら友達と朝まで過ごせばよかったという後悔。

寒すぎて夜を越せる状況ではなかったので、120%のごめんなさいの気持ちで奥さんへ電話し、片道1時間をかけて車で迎えに来てもらった。もちろん寝かしつけた娘を連れて。チャイルドシートで眠る娘の顔を見て、先までの楽しい気持ちが情けなさで全て上書きされた。

ただ、こんな情けないことはもうしたくないという思いの一方、友達に対して「酩酊するまで楽しく酒を飲ませてくれてありがとう、また飲もう」という思いもある。どうしたものか。

 

 

某日

 

奥歯のあたりに違和感を感じ、歯医者へ。曰く、親知らずが生えている箇所の歯磨きが出来ておらず、歯茎に炎症を起こしており、歯磨きしにくくなっているのでいずれ親知らずは抜いたほうがいいとのこと。ただ、上あごの親知らずを抜くとその空洞がほっぺたの裏の空間と貫通する場合があり、そうなると水を飲んだりした時に鼻から出てくるかも、と言われる。ほっぺたの裏の空間?貫通?そんなことある??と怖くなり「考えておきます」と言い帰った。

 

 

某日

 

曜の夜ぐらいは…」というドラマを見た。退屈な毎日、芸人ラジオを聴くのが日々の救い、そしてその退屈な毎日の中における非日常の場としてのラジオイベント、それが終われば再び淡々とした生活が続く…という初回放送。「毎日これをやるしかないんや」というような渋い表情で長い坂道をチャリ立ちこぎしながらバイト先に向かうシーンから始まり、退屈な日々が本当に退屈そう描かれていた。

バイトから帰ってきて、同居する母に今日あったことを話すよう促されて

いや、話したい事なんてないし。

話したくもないし。

どんなにつまんない一日だったか、

どんなに不愉快なことがあったか思い出したくないし。

そういうことを敢て話さない優しさもある訳で。

というようなことを言ってしまう。「おれの生活なんか語るに値せず、どうでもええわ」みたいな気持ち、わかる。

そしてラジオイベントで出会った仲間と写る写真の中の自分を見て、こんな楽しそうな自分久しぶりに見た、と不意を突かれたりもする。生きてたらそういう一瞬ってあるよなという気持ちも、わかる。

イベント終わりに連絡先を交換しようと言われて

やめようそれは。

最初はアレだけど、だんだん来なくなったりするのダメだからわたし。

だって、それは仕方ないし。

それぞれの場所で生きている訳だから。

だから、

楽しかったから、このままで。

といって連絡先は交換せず、笑顔で写る写真も消去してしまう。悲壮的過ぎやしないかと思ったけど、そういう気持ちになることもあるよな。

ラジオパーソナリティエレキコミック(好きではない)だったこと、そのラジオイベントの楽し気な雰囲気に全く乗れなかったこと、エンディング曲とその映像がポップ過ぎたのはなんだかな、という気持ちになった。2話以降も地味で淡々と進んでほしいな、と思いながら楽しみにしている。

 

 

某日

 

たまたま街で小学校時代の同級生と約20年ぶりに出会い、話している内に共通の音楽の趣味があることがわかった。例えば2014年のサマソニで同じ会場でArctic Monkeysを見ていたといった話題を介して一気に親しくなった。小学生の時、クラスの中心的な存在であった同級生とそうでなかった自分は殆ど交わることがなかったので、共通の趣味というのは仲良くなるのに大きいなと改めて感じた。その後ラインで最近聴く音楽をYouTubeやサブスクのリンクを付けて送りあう等したが、この時に10年程前までならCDを貸し借りしていたんだよなあと思った。

中学生の時から大学を卒業する2010年代前半まではそうしてきており、CDの貸し借りをしていた友達やそれを介して仲を深めた女の子のことを思い出してノスタルジーにふける。いまだにその音楽を聴くと、それを貸してくれた人のことを思い出したりする。高校生の頃に数少ない洋楽を聴いていた同級生からはMUSEを勧められたり、大学のサークルにいた同級生からは当時1stを出したばかりのやけのはらのCDを貸してもらったり、付き合っていた子からはWilcoを教えてもらったり…。

例えば大学のサークルの同級生は、タワレコでバイトして社割でCDを買いながら、アマゾンで1円でも安い中古CDを検索して買っているような友達であった。サークルに対して、引いては世の中の様々な事に対して居心地の悪そうな態度をとっていたが、その表情と、貸してもらったCDに入っていたこの曲がいまだに自分の中でどことなくリンクしている。


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だからといって、今出会った人とCDを貸し借りするかと言えばそうではないので、ノスタルジー以上のものではないのだが。こういうノスタルジーによく捕らわれる。

今の10代は共通の趣味を介して仲を深めるのにデータで十分なんだろうか。そもそもCDなど持っておらず、それが前提となっているので多分そうなんだろう。

 

 

某日

 

仕事が忙しかったりすると、ふと半年以上前になるが家族で行った沖縄のことを思い出すことがある。具体的には沖縄の中でも、本島最北端の辺戸岬とその近くの大石林山に行った時のこと。観光地として整備されているものの、行くのに時間がかかるからかがらんとしていた。沖縄の9月の暑さ、辺戸岬に打ち寄せられる白波と水平線の先に見える与論島、大石林山にある見慣れない草木と動物の鳴き声、暇している券売所のおじさん。時間が止まっている最果の場所で家族3人だけが取り残されたような不思議な気持ちになった。ずっとそこにいたいと思った。多分雑多に考えることが多すぎる生活の対局にあるような場所だったので、今でも思い出してしまうのだと思う。いずれまた家族で行きたい。

 

 

プレイリストof2022

 

 

 

 

1.Lightning Bug/Injury Tape

32歳、今なおエモを聞くことでしか癒せない孤独があります。

 

ungulatestokyo.bandcamp.com

 

 

2.吉祥寺/ANORAK!

めちゃくちゃ熱持って聴いていた。10代の頃にエルレガーデンを毎日通学の時に繰り返し聴いていたように…。

 


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3.Peel St./Squid

ライブに行く前に予習しすぎて期待値が上がりきった結果、当日のライブを見た時に「普通に良かった」という感想に落ち着いてしまうことがある。演奏の良し悪しではなく、自分の気持ちの入り様の問題。

今年のサマソニでは一番の目当てだったTHE 1975がそんな感じになってしまったのだが、一方で数か月たった今でも印象に残っているのはSquidのライブ。

インテリジェンスと破壊性が同居するライブパフォーマンスに衝撃を受け、見終わった後に高ぶるテンションを落ち着かせるために物販に行きCDを買ったのも思い出。

 


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4.CAT GROOVE(feat.Tony Rosenberg)/Kealin Ellis

通して一曲のような構成になっているビートアルバム。全曲1分~2分台で計22分という心地よい短さで何回も聴いてしまいます。

 


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5.Root Down and Get It/Jimmy Smith

温故知新。京都のWORKSHOP recordsでかかっており、ファンキーなオルガンの音に耳を奪われてすぐケータイにメモした。Beatstie Boysの元ネタ。

 


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6.Betcha By Golly Wow/Billy Wooten

温故知新その2。Jimmy Smithしかりジャズファンクというのが好みだということを知りました。

 


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7.How Much Do You Love Me/Vulfmom,Jacob Jefferies,Vulf

みんなハッピーになれる曲。

MVで「その顔、わかる!!」という表情でキーボード弾くVulfmom氏。そして便所サンダル、頭にかぶるタオル、iPhoneで歌詞を見ながら歌うJacob Jafferies氏のラフすぎる見た目と歌声のギャップ。

 


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8.BLUE/Whitney

「Blue」は新たな恋からインスパイアされた曲なんだ。恋に落ちるとはどんな感覚なのか、新たな恋がいかに人を不安にさせるのか、ということを歌詞にしたんだ。愛を胸に抱いて朝目を覚まし、その愛を手放さない、ということを視覚的に表現しようしたのが、サビの“blue, every summer in the morning light(夏の朝焼けの中に広がる青)”という歌詞なんだ。

belongmedia.net

 


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8.September/Charlie Martin

青葉市子のラジオ番組で流れていて知った曲。アメリカツアーを一緒に回っていたとのこと。

インディーロックをあまり聞かないようになってしまっていたけど、不意にこういう暖かい音楽を聴くと持っていかれてしまう。

 


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10.Gold Line/Charlie Hickey

FLAKE RECORDSで一人夜道に立ちすくむ姿のジャケットとそのアルバム名(Nervous At Night)を見て、買ってしまったアルバムの曲。

I see that local coffee shop where that B-list film was shot
I know it's not that interesting
But I want you to see what I see

 

B級映画が撮影されたコーヒーショップを見ている。

面白くないことはわかっている。

でも、僕が見ているものを君にも見てもらいたいんだ

 


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11.Da Drive/Vegyn

75曲(!)入りのミックステープ収録曲。夜寝る前によく聞いていた。総じて漂う内省的な雰囲気が夜に心地よかった。この曲は比較的アップテンポな曲。来日しており、みたかった。

 


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12.A Keeper/Drake

Drakeのような大御所は「別に自分が聴かなくても…」という、よくわからない捻くれた目線により聴かなかったりするが、アルバム全曲ダンスミュージックという話題性から聴いてみたら、良かったです。サブスク時代、無数の選択肢の中から何を聴くかって、きっかけ一つですね。

 


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12.HONESTY(feat. Logan Kane)/Huma Error Club

夜道でこの曲のシンセフレーズを口ずさみながらチャリを漕いで家に帰っていた今年の晩夏。

 


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12.Framented Dreams/rRoxymore

硬派なブレイクビーツからの2:55~の展開で心を持っていかれました。

 


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13.Hidden Wave/Soshi Takeda

ブリ~ジン。南の国の静かな夜のような雰囲気もありつつ、冷凍都市での孤独さも感じる一曲。アンビエント~バレアリック~ハウスをいい塩梅で混ぜ込んだこんな音楽をもっと聴きたいです。

 


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13.Night Cruise/Coastlines

孤高のレコード屋、Meditationsの入荷通知で知った。このアルバムを聴いてモルディブタヒチ当たりに飛んでいきましょう。


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14.hibernation/kneu

京都のインストバンド。まだ1~2曲しかネットでは聞けないけど、この曲だけでとても期待してしまいます。曲後半でバーストする展開が気持ちいいです。

 


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15.don't like you(feat.Neibiss)/tofubeats

抜け感のあるビートとラップが癖になってました。この曲からNeibissを知ってCDも買ったりした。

 


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16.hanging/takujirosadae

Butter Sugar Toastというバンドのボーカルの方のサイドプロジェクトのようです。Butter Sugar Toastもブチ切れジャンクHCでめちゃくちゃカッコいいけど、こっちは全然違うスマパンよろしくな歌心のあるオルタナロック。ハッピーな曲ですね。

 


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17.Wouldn't it be nice/ALEX CHILTON

温故知新その3。”ラジカク”というαステーションの番組でかかっており、知った。停電の夜、急遽ロウソクの火の中、アンプラグドでライブすることになった時のライブ盤。ビーチボーイズのカバー曲、みんな歌ってて楽しそうです。

 


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18.Jolie/Al Kooper

温故知新その4。山下達郎のラジオ番組でかかっており、知った。聴いたことあるけど誰の曲か知らないという曲は、自ら探して出会うことは難しい(Shazamは鼻歌には対応しておらず)ので、教えていただきありがとうございますという気持ち。信頼できるラジオ番組を何本か聴くことで、知らない音楽をどんどん教えてもらっています。

 


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19.I'm With You/No Busses

今年産まれた子どものことを考えて聴いていた曲。自分たちの子どもではあるが”相棒”という関係性を感じている、と奥さんが話していたが、わかるなあと思ったり。

Dear my friend

I want to grasp your precious feelings

No one can take your place

See you later

 

親愛なる友よ

君のたいせつな気持ちを知りたいよ

君の居場所は誰にも奪われない

またね

 


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20.Laughing in Her Sleep/Louis Cole

子どものことを思って聴いていた曲その2。超絶テク系の曲の中、時折挟まれるLouis Coleのメランコリックな曲が好きです。来日公演でこの曲はやってなかったけど…。

It's my favorit mystery

What's the hell is so funny

She is laughing in her sleep

She is laughing in her sleep

Yeah

 

僕がいつも考える不思議なこと

なにがそんなに面白いんだよ

彼女は寝ながら笑っているんだ

彼女は寝ながら笑っているんだ

言葉を持たない君の考えていることが知りたいんです。

 


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21.D.A.I.S.Y/やけのはら

子どものことを思って聴いていた曲その3。産まれる前後に聴いていた。いつまでも無邪気にのびのびと、好きなように生きていってほしいです。

 


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最近

 

 

某日

 

AM8:29、2940g50cmの女の子が生まれる。それまでの不安や雑念を一気に超越してその産声が実感として胸に突き刺さる。立ち合いはできたが、コロナ禍ということで病院には長居させてもらえず追い出される。その後、自分の興奮を抑えるために海を見に行った。気持ちの良い快晴であったが、平日だったこともありその景色をほとんど一人占めすることが出来た。満ち足りた気持ちで、気を緩めると頬が緩み足の力が抜けた。頑張ったのは奥さんであり、自分は何もしていないが。

 

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そして一人で焼肉を食べに行った。豪華なものが食べたかった。焼肉を食べていると、まだ何も報告していない友達から「子供が生産まれるのはそろそろ?産まれたら報告してくれな」とラインが。今日産まれたと返信するや否や電話をかけてきてくれた。病院を出て誰とも話していなかったので、その喜びを話せることが嬉しかったし、偶然その日に連絡をくれたことは今でも印象深い。そして彼にも6月に子どもが産まれる予定という報告を受けたので、その時にはできれば同じように電話をかけて喜びの声を聞きたい。

 

 

 

某日

 

犬のいる暮し(中野孝史)」という本を読む。犬に対する、ひいては物事に関する評価基準に関して以下のように書かれていた。

 

 

現代の日本くらい、とくに若者のあいだで、「かわいい」ということが最高の誉め言葉になっている時代と国はなかったのではなかろうか。

 

「凛々しい」とか、「けなげ」とか、「気品がある」とか、「力強い」とか、「毅然とした」とか、「逞しい」とか、「雄々しい」とか、そういう価値が尚ばれないで、ひたすら「かわいい」が最高の価値基準をなしている時代は、非常に未成熟な、積極性と主体性を欠いた時代ではないか、と思っている。

 

(中略)

 

かわいがられる存在であることがそれほどに重視されるとは、人間としてどこか未発達で幼児性を残しているとしか思えない。

 

 

なんにでも「かわいい」と言ってしまうことが多いが、確かにしっかりと思考すれば評価する基準はそれだけではないだろうとハッとさせられた。

 

 

 

某日

 

映画「C'mon C'mon」を見る。

 


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A24から新作が公開されたから観よう、というくらいの前情報なしの状態で映画館に行ったが、子どもと一緒の時間を過ごし対話していくことで心を通わせていくということが主題であり、子どもが産まれたばかりの自分の状況と重なって不意打ちであった。

 

 

フィールドレコーディングを趣味とするジョニーはその良さを甥のジェシーへ伝える。自然や街の音を切り取って録音することで、一瞬を永遠にすることが出来るのだ、と。そして映画の後半、別れの時間が近づいた夜にベットの上で、ジョニーはジェシーへと語りかける。いずれ一緒に過ごした日々を思い出せなくなるだろうけど、それでも今一緒に過ごしていることが大切なんだ、と。儚い一瞬一瞬に対する繊細な眼差しが根底にある優しい映画だった。

 

 

 

某日

 

最近聞いている音楽。

 


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FFKTというフェスでJohn Carroll Kirbyが来日するということで見に行きたい(FKTの前身であったtaicoclubに行ったのも楽しかった思い出として残っている)。他にも森道市場とかThundercatや!!!といった海外バンドの来日も気になるが、子どもがいることを考えると行きにくいのが悔しい。子どもを持つ人はみなどのように折り合いをつけて、自分のために使う時間を確保しているのでしょうか。「C’mon C'mon」を見て感じたこともあったが、そもそも一人の時間を確保できたからこそ映画館にも行けた訳で、その辺人生は一筋縄ではない。

 

 

 

某日

 

学生時代の友達と飲む。会社の同僚や社会人になってからの友達、家族とも話せない上記のようなことを話しした。根本となる人格が形成された10代の頃のバックグランドを知っているため、お互いに話していることの理解度が非常に高く、とにかくストレスフリーであった。平日は遅くまで残業し、休日は疲れないための最小限の行動しかできない毎日にはこういう溌溂とできる時間がなさ過ぎる。もっと近所の、気軽に会える場所に気の置けない友達がいてほしいと思う。

 

 

最近

 

 

某日

 

ひとりで京都の街を歩き、本屋に入る。旅先で感覚が研ぎ澄まされて、いつもより目に映るものが良く思えるあれは何だろうか。色んな本が面白く見えて、あれもこれも欲しいと感じる。その中で、日付だけがそのページに書かれているほどんど真っ白の紙が分厚く綴られた10年日記という本が置かれていた。10年分の〇月〇日の日記が同じページに記録できる、というものだった。その日の自分にはとても魅力的なものに見えた。その日記にはこれからの子どもが生まれるまでの生活と生まれてからの事を書き記していけば、後で見返したときに面白いんじゃないかと、安易に考えたのだ。でも、ふと思い立っただけで10年分の日記を書き続けられる自信はなかったので、横にあった1年分の日記を購入した。器が小さい。購入から3か月たったが、今のところ継続している。

 

 

 

某日

 

SNSで見たある言葉が良かったので引用しておく。

 

今日も音楽を聴いてこの歌詞は自分だけに向けられた特別なものだと思い込もう、本を読んでこれは自分の事を書いた小説だと錯覚しよう、映画を観てこの作品を深いところで理解できるのは自分だけだと勘違おう

 

優れた芸術は”まさに自分に向けられた特別なものなんだ”とより多くの人に思わせることができるものだ、ということだけど、本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を観たりしてこういった感情に出会うことは何にも変え難い瞬間だと思うし、何回でも経験したいと思う。

 

 

 

某日

 

最近聞いている音楽。

 


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みなさんは何を聴いているんでしょうか。

 

 

 

某日

 

奥さんと散歩。通りかかったお好み焼き屋で昼食を取る。一人で切り盛りするおばちゃん、手書きのメニュー表、誰も見ていないテレビ…。窓の外の繋がれた犬を愛でながらお好み焼きを食べる。見頃になった梅を見に山際の小高い場所にある公園へ行く。犬を散歩させる地元民、アウトドアファッションをした登山会の人々、小さい子どもを連れた家族…。賑わっている公園の中で、来年は子どもを連れて三人で来ようと話す。

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茶店に入り、「長い一日」という本を読む。日常の機微が事細かに書かれたエッセイのような小説。

 

やはりズボンの生地はよく伸縮した。膝を曲げる際には、お尻や太もも、膝の表の部分で特にその伸びを実感できる。この伸縮性が、俺の動きを妨げないのだ、という実感。そこには小さな満足と、よろこびがある。それを確かめるために、こうして意味もなくときどき屈伸運動をしてしまう。誰にも伝えられることのない、伝えるほどのものでもない、私服を着る日つまり週末と祝日の、小さな俺のよろこび。それがこの伸縮性によってもたらされる。いつでも。そして何度でも。伸び広がりと、元に戻るちから。そしてそれを繰り返してもへたばらない耐久性。ああ本当に、今日はなにを食べよう。

 

伸縮性の良いズボンを履くことが好きだ、というだけのことがこんな風に書かれている。幸せは日常にあるということ。

 

 

 

某日

 

ceroの高城晶平さんの文章を読んで感銘を受ける。

 

私は二歳のわが子の背中を追っかけ回している。放っておくとどこまでもスタスタ歩いていってしまうミニ四駆みたいな男の子だ。彼の危なっかしい軌道に集中力を注いでいると、時々、私の視野はピンホールカメラのように四隅が暗く、狭くなる。そんなとき、私の胸の片隅にある拭い難い感覚が根を下ろすーー退屈だ。

日々成長していく子どもたちとの時間は、そのすべてが貴重でかけがえないものなのだと、たしかに思う。それでもなお、退屈を感じずにいられない私は、どこかおかしいのだろうか。子どもっていくら見ていても飽きないですよね、なんて言うパパ友の前では、考えることも憚られるようなこの疼き。

ところが、ひょんなことであっさりこの感覚から解放されることもある。例えばベビーカーの上で子どもが疲れて寝てしまえば、次の瞬間にはもう退屈の靄が晴れていたりする。すると、それまで見逃していた風景のディテールがだんだんはっきりと見えてくる。本屋の海外文学コーナーが、古着屋が、喫茶店が、レコード屋が、おもむろに目の前に現れる。たくさんの可能性を伴って、街が本当の姿を現す。子によってマスキングされていた感覚が、突如として戻ってくる。なんて言うと、子どもを邪魔者扱いしているようで気が引けるが、自分のコンディション次第で街の見え方が異なるのはたしかだ。

 

先に京都で感覚が鋭くなると感じたのもまさに「たくさんの可能性を伴って、街が本当の姿を現す」ということだったと思い、それが言語化されたことが嬉しかった。

後はなにより子どもと過ごす時間を退屈だと感じたと正直に書かれていること。まだ子ども生まれていないけど子どもがいる喜びとは別に、子どもがいることでの不自由さ、そしてそれを声に出すことをはばかられる窮屈さっていのうはあると思う。

 

散歩して喫茶店に行くのが楽しみという、上りも下がりもせず落ち着いた今の生活は心地よいが、30歳そこそこにして人生の秋を迎えた老人になったような気がして、時々このままでいいのかと感じる。そんな中、数週間で子どもが産まれてきて今の心地いい生活は忙しい毎日に変わるだろう。その時自分はどう思うのだろうか。考えてもわからないが、今は期待とも不安とも言えない気持ちを抱えていることだけを書き記しておく。

 

 

高城晶平高城晶平

プレイリストof2021

 

 

 

 

1.力水/くだらない1日

現行の、日本の20代がやっているバンドを追いかけるのは、昔のバンドや海外のバンド、ベテランバンドの音楽を聴くのと違うワクワクがある。大きくなってほしいと応援しています。”でも絶対なんてないでしょ”と曲中盤で歌うも、一番最後に”絶対大丈夫だよきっと”と叫ぶところにグッときます。


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2.Growing Up Song/Anxious

来年に1stアルバムが出るアメリカ、コネチカット出身のバンド。メンバーにはOne Step Closerというハードコアバンドのメンバーがいるみたいだけど、こちらはギターフレーズ、リズムパターン、コーラスとどこをとってもエモの要素が溢れている。アルバムが楽しみです。


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3.Elemenohpea/I Feel Fine

YouTubeで動画を見ると、メンバー全員が歌っているみたい。とても元気をもらえます。


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4.New Music/Another Michael

インディーロックとエモとフォークの丁度間にあって、とても温かみのあるバンド。このバンドのアルバムを出しているRun For Coverというレコードレーベルはとても信用できるのです。


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5.All I Need/Denuo

Turnoverという大好きなバンドがいるのですが、そのバンドに近い涼し気だけど憂いのある歌い方が好きです。イギリス、ウェールズ出身だけど"Shibuya"という曲があったり、MVを日本人監督を起用したりと、親日家?であるよう。ぜひ日本に来てライブをしてほしいです。


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6.Third Chain/Soul Blind

荒々しいグランジど真ん中のギターが最高。


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7.Alien Love Call/Turnstile & Blood Orange

ハードコアバンドでありながら、曲のふり幅がものすごいTurnstile。こういうダウナーで、同じフレーズを繰り返して、後半にじわじわと熱を帯びてくる曲を好む傾向にあります。例えばYuckというバンドの"Somewher"という曲。


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8.もう少しの暦/quiqui

カオティックハードコアバンドですが、それを3ピースでやっているのがカッコいい岐阜のバンド。この曲はカオティックハードコアでは全然ないですが、先のTurnstile同様にダウナーかつ、同じフレーズを繰り返す曲で、そのふり幅もカッコいい。


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9.11511/downt

東京の3ピースバンド。先日ライブハウスで見て、初めてのツアーだと話してましたが、音源も勿論だけど、それを全然超えるライブの良さでびっくりした。丁寧に歌を聞かせる静のパートと演奏がブーストする動のパートのコントラストに痺れました。


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10.ハイブリッド/ayutthaya

好きなバンドですねえ。


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11.Together/Super American

2000年代のポップパンクのようなやんちゃな感じがありつつ、それだけではない切ない曲調が絶妙だと思います。


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12.Spinning/Charli XCX, The1975

とても享楽的でアガる曲だけど、MVが安っぽいアニメーションなのが嫌だな。


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13.サニーボーイ・ラプソティ/toe

パンデミックの影響が落ち着き、約2年ぶりに友人と酒を飲む。その頃はお互い結婚もしておらず、色々と現状に満足していなかったが、身軽で背負うものがなかった。でも今は子供も持つようになり、酔いつぶれるまで酒を飲むようなこともなくなったし、何かを語るのにも以前ほど熱を込めて話すことが上手にできない。盛り上がりきらないテーブルの上には、楽しかった昔の思い出だけが形骸として残っていた。ひとつの季節の終わり。そんな夜、一人帰り道にはこの曲を聴くことしかできない。(アニメは見ていません。)


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14.No Sun (toe Remix)/kid fresino

特にこのtoeの演奏は楽器が歌っているような感じがします。そしてその演奏に乗る時代の寵児、kid fresinoの声。


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15.The Encounters/D.A.N feat. 玉名ラーメン & Takumi

今年、久しぶりにライブハウスでライブを見たのが11月のD.A.N.だったので、とても印象に残っている。この曲は後半になるにつれてバチバチに上がっていくので、ライブ映えしてました。


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16.Excuse Me, No/Human Error Club

SNSでバンド名を見て気になったので、聴いてみて知ったバンド。フリージャズ、アフロ、ファンク…何かよくわからないけど、とにかくドラムがタイトで気持ちいい。


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17.Feel/quickly, quickly

上品な歌ものだけど、リズムパターンが攻めており、上品なだけではないのが良い。


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18.Where Did I Go/Park Hye Jin

ダンスミュージックだけどアルバム通して漂う内省的な雰囲気がとても好感持てました。12月の来日公演に行こうと思っていたが、キャンセルになってしまい残念。


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19.Organic Rust/Alfa Mist

7月に東京に行った際に、渋谷の街頭ビジョンでこの演奏動画が流れており、立ち止まって見入ってしまった(渋谷くらいに行くと街頭ビジョンでもこんなにいい曲が流れているんですね)。オルガンの音色と呟くようなラップが気持ちいい。


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20.Mas O Menos/Zeitgeist Freedom Energy Exchange

αステーションでやっていたnever young beachのメンバーの方の番組で流れており、知ったバンド。聞き心地が良く何回も聞きました。


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21.Rainmaker/John Carroll Kirby

この曲が入っているアルバムも今年繰り返し聞いた。ジャズ、ソウル、R&Bアンビエントを行ったり来たりするアルバム。


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22.Good Life/Bentley & Horatio Luna

音楽ブログを読み漁っていたら知ることが出来た。人力でアフロ、ジャズ、ラテンを織り交ぜたダンスミュージックをやっているオーストラリアのバンド。本を読むときにはこういったボーカルの入っていない音楽を聴いていたいです。


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23.Ayeye/Amaro Freitas

耳に残るピアノのフレーズとヨレたポリリズムが気持ちいい。


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24.Love Proceeding/BADBADNOTGOOD feat. Arthur Verocai

ボーカルはないけど、アルバムの中で一番歌心があった曲。


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25.I Love Music/The Ahmad Jamal Trio

山下達郎のサンデーソングブックで知った曲。こういった古いジャズは普段自分で聴くことができない音楽。もっと色んな音楽を聴きたい。


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26.Sapporo/Frad, Hayne & Isaac

SNSで流れてきて知った曲。とてもリラックスできますね。コーヒー飲みながら聴きたい。


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27.Sayonara America, Sayonara Nippon/細野 晴臣

映画"Sayonara America"を見たので、プレイリストに入れました。細野さんの”古いアメリカの音楽に感謝するためにここに来ました”というライブのMCと、ライブを見終わったファンが”アメリカにいながら、細野さんの音楽によって今までの人生で一番アメリカを感じることができた"と語る姿にグッときました。


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28.And When I Die/Laura Nyro

これも山下達郎のサンデーソングブックで知った曲。タイトルに反してとても生命力あふれるボーカルだと思います。何回も聞いた。


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29.Fushigi/HALFBY feat. mei ehara

SNSで”この曲はオールナイトイベントのスタートにかかってていても、ピークタイムにかかっていても、明け方のクローズの時にかかっていても、その場の雰囲気ににマッチするな”と誰かが言っていたけど、本当にそんな不思議な曲。