最近

 

オリンピック。男子走り高跳びで全く同じ成績を出した2人の選手が、引き続き競技続けて1位2位を決めるかと審判に問われたことに「金メダルを2つ用意できるか」と返し、2人でタイトルを分け合った瞬間。飛び跳ねて喜び、お互いを称えて抱き合うその清々しいスポーツマンシップ。肌の色が違うその2人の選手が同じように喜ぶ姿を見て、高跳びのことも、その選手のことも知らないのにぐっときてしまった。

 

f:id:take-65:20210808091108j:plain

バルシム選手(カタール)とタンベリ選手(イタリア)

  

 

*

 

 

映画「街の上で」を見た。本を読んで時間を潰しながら古着屋で働き、よく行く古本屋や飲み屋があって、たまにライブハウスに顔を出すという、よくいる文化系男子の主人公。自分の趣味を煮詰めたようなこのモラトリアムな生活は、身近なようで社会人となった今見るとはるか遠く、かけがえのないものに思えた。

そんな中でも主人公の青と、飲み会で居合わせたイハが出会い、そのままイハの家で過ごすシーンが良かった。お互いのこれまでの恋愛事情を晒け出しあって、男女の駆け引きはありそうでなく、昔から友達だったことを確かめるかのように語り合う夜。こんな夜を一生に一度でも過ごせたら、自分にとって宝物になるだろうなと思った。

f:id:take-65:20210808090649j:plain

青とイハ

  

 

 

*

 

 

走り高跳びの戦友同士の友情を見た時も、映画で出会っていなかった友達と出会ったのを見た時も、炭酸の泡に包まれているような瑞々しい気持ちになった。自分にも世界のどこかに、まだ見ぬ未来の友達がいるんじゃないだろうかと思ってしまう。実際は大人になるにつれてそんな出会いは殆どなくなってくることは頭の中ではわかっていても。こういった視野が一気開けて世界が軽やかに見える瞬間が生活しているとたまにある。どんよりした日常の裏側にこんなきらめく世界があるってことは忘れたくないし、それを思い出させる"スイッチ"は生活の中に確かにある。

 

 

*

 

 


www.youtube.com

 

Algernon Cadwalladerの2010年のライブ。このバンドは投げやりに叫ぶ歌い方とか陽気なギターのタッピングに、夏っぽさを感じるけど、その音楽が具現化されたようなライブ映像。湖畔での野外ライブ、最高。上裸で熱唱しながらもみくちゃになってる客席は絶対に暑苦しいけど、見ててみんなこのバンドが好きなんだろうなという気持ちになる。やっぱりAlgernon Cadwalladerが好きという一点だけで、ここにいた人とは場所と時を超えて仲良くなれると思ってしまう。